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第二章「アドバイス」 第一話

 

「聴き流すだけであなたもペラペラに」

「短期間で上達。脅威のOXメソッド」

「英語はやっぱり音読だ!」

 

 

机の上に山の様に詰まれた書籍の中から一冊手に取る山田さん。 しおりを挟んであるページを開きます。

 

「中学生の時、一つの章を500回は音読したでしょうか。 一日5分、テープを聴けば上達できると無邪気にも思っている人は、志が甘いのです」

 

「ふう・・・・」

 

大きくため息をつく田中さん。

 

「あなた私の好きな色、知ってる? 好きな食べ物は? 私が最近、興味のあることは?」

「・・・・・・・」

「あなたと過ごしたのは5年間・・・。今の彼とは三ヶ月だけど、彼は何でも知ってるよ、私のこと」

 

女房が出て行ってから二ヶ月。その時の捨て台詞。田中さんは言い返す言葉を持ち合わせていませんでした。時が経てば経つほど、女房の言う事は的を得ていると思うのです。

今まで自分は、女房の何を見ていたのだろう・・・。いったい何を話していたのだろう。色々話した気もするが、その実何も話していなかったのではないか?女房はそんな自分の無関心さにずっと、耐えていたのだ。

 

「英語、やってみよう」

 

生まれて初めて、そう思いました。思い起こせばこの10年間、会社と自宅の往復以外これといって何もしてこなかった。変わらなければ。

 

 

田中さんのやる気にスイッチが入った瞬間でした。

  

田中、がんばれ!

  

by ぱちお

更新:2009年6月17日 10:32 PM

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