「聴き流すだけであなたもペラペラに」
「短期間で上達。脅威のOXメソッド」
「英語はやっぱり音読だ!」
机の上に山の様に詰まれた書籍の中から一冊手に取る山田さん。 しおりを挟んであるページを開きます。
「中学生の時、一つの章を500回は音読したでしょうか。 一日5分、テープを聴けば上達できると無邪気にも思っている人は、志が甘いのです」
「ふう・・・・」
大きくため息をつく田中さん。
「あなた私の好きな色、知ってる? 好きな食べ物は? 私が最近、興味のあることは?」
「・・・・・・・」
「あなたと過ごしたのは5年間・・・。今の彼とは三ヶ月だけど、彼は何でも知ってるよ、私のこと」
女房が出て行ってから二ヶ月。その時の捨て台詞。田中さんは言い返す言葉を持ち合わせていませんでした。時が経てば経つほど、女房の言う事は的を得ていると思うのです。
今まで自分は、女房の何を見ていたのだろう・・・。いったい何を話していたのだろう。色々話した気もするが、その実、何も話していなかったのではないか?女房はそんな自分の無関心さにずっと、耐えていたのだ。
「英語、やってみよう」
生まれて初めて、そう思いました。思い起こせばこの10年間、会社と自宅の往復以外これといって何もしてこなかった。変わらなければ。
田中さんのやる気にスイッチが入った瞬間でした。
田中、がんばれ!
by ぱちお


























